2005年05月10日
ピックアップエントリー第2回
フジの映像は少し暗い。色鮮やかなNHKと比較すると一目瞭然。それがより顕著なのがパドックの映像で「これ本当に同じ馬?」と思うぐらい色が違います。ゆうきまさみ著「じゃじゃ馬グルーミンUP」で戸板チーフ(か辰さん)が「パドックならNHK」と言っていた意味がようやく分かったような気がします(違
申し遅れました、トラセン造園課坂路係のエアデールです。
常に人の斜め上を行くべく日々坂路を駆け上がっているとかいないとか。
さて、ピックアップエントリー第2回は先日東京競馬場で行われたNHKマイルC回顧特集です。このコーナーは担当者の好きなスタイルで良いらしいので、今回は気になった記事を引用しつつ個人的な見解も書いてみました。スミからスミまでとはいきませんので、特に気になった4点について語りつつ、最後にオススメ関連記事をご紹介。
▼目標の違いによるレベルの違い
Brain Squall 「【NHKマイルC回顧】桜花賞で求められるものの変化」 より
牡馬であれ牝馬であれ能力のある馬はクラシックを目指すという日本の競馬の風潮から、やはり最初からマイル、もしくは短距離に照準を絞った馬では太刀打ちできないというのが現実なのだろう。
レース前にも散々言われた「中距離実績のある馬が活躍する」という格言は、従来のスタミナ面、気性面での優位性と共に、この時期の3歳馬特有の「目標の違いによるレベルの違い」を暗に示しているのかもしれない。ただし、単にクラシックを目指していれば良いというわけではなく、前哨戦、本番、もしくはクラシックに繋がるレースのいずれかで結果を残すレベルでないと短いところに照準を絞った馬に食われる可能性があると。
そう考えると、スプリングS、皐月賞と続けて掲示板を外した(東スポ杯3着あり)ペールギュントは、距離云々もあるけれど、少し足りないからこちらに回ったという微妙位置付けでもあり、一昨年(優勝ウインクリューガー)のようにその手の馬がいないならまだしも、今年は不幸にもホンモノ(実力のある先行型、自在型)が出てきてしまったと。んで、そのホンモノを牝馬だからと軽視したのが私を含めた敗者の敗者たる要因の一つ。では今後も桜花賞組は狙えるのか?再び同記事から引用。
桜花賞で求められる資質の変化。昔は魔の桜花賞ペースなどといわれてハイペースに耐える適性が問われたものだが、現在ではすっかりペースが落ち着いてきた。自然前につけられるような馬でないとなかなか勝負にならないし、またゆったりした流れでも楽に競馬できるような馬である必要性がでてきた。それが明確に出たのがここ2年のフラワーC勝ち馬の連対ともいえるだろう。これにより桜花賞で好勝負できるような馬なら、十分NHKマイルCに対応できたのではないだろうか。
Brain Squallさんの考察によれば、桜花賞でも中距離をこなせるぐらいの先行馬がトレンドらしい。フラワーCは桜花賞優先出走権こそ得られないが、あの時期に千八で行われる前哨戦としての重要度は増している。ラインクラフト自身は千六までしか経験がないが、そういう傾向のレースでフラワーC勝ち馬を退けたという意味では中距離をこなす余地があると言えるのかもしれないし、ある意味牡馬が対象であった「中距離実績のある馬」というのが牝馬にも通じる故に、今後も桜花賞組が活躍する可能性は十分にあると考えられるのではないだろうか。Brain Squallさんの回顧は毎度鋭い考察がなされているので要チェック!
▼藤田@ディープサマーと幸四郎@エイシンヴァイデンの思惑
Racing Blog 2005 「NHKマイルC 結果」 より
逃げると思われたディープサマーが、距離の不安もあっただろう、無理には逃げず、ビッグプラネットも全く行く気はなかったようだ。間隙を縫って先頭に躍り出たのはエイシンヴァイデン、この馬がペースを作ったが、前後半800mが47秒4-46秒2と完全なスローペース。
Target de WinGet 「5月7・8日の重賞回顧」 より
今年のマイルカップのペースは前半5F59.4秒と予想できないほどの遅いペース。純然たるスプリントの逃げ馬がいないこともあって、かつてバンブーピノとファビラスラフィンが潰しあったような激ハイペースには決してならないと思っていたが、それにしても落ち着きすぎた。外から行く気配だったビッグプラネットとディープサマーが最内のエイシンヴァイデンが行き脚を見せた瞬間に競らなかったことが落ち着いた原因。
エイシンヴァイデン云々以前にディープサマー@藤田は”積極的”に行く気配がなかった。枠の利で外のビッグプラネットを十分に牽制できていたこともあり、それならゆっくり行こうか的雰囲気。その背景にはRacing Blog 2005さんのご指摘通り距離に対する不安があると思われ、エイシンヴァイデンが行かなくてもペースはそれなりに落ち着いただろうなと。Target de WinGetさんの仰るスプリントの逃げ馬不在という視点も面白く、そういえば昨年はタイキバカラのお陰でメイショウボーラーが勝ちではなく着を拾いに行ってたなと懐かしんでみたり。
一方、エイシンヴァイデンの武幸四郎に同厩舎のラインクラフトを援護しようという思惑があったかといえば私的にはないと思っていて、ヴァイデンの跳びが大きく、内に押し込められたら走り難いという面を考慮しつつ、行った方がチャンスはあると見ての野心的な逃げだったと妄想。その結果6着なら陣営としては良くやった幸四郎!であり、距離適正の差はあれど、勝負に対する姿勢としては藤田より幸四郎の方が勝っていた。と、ディープサマー本命の私はがっくり肩を落とす。
▼ラインクラフトとデアリングハートは好敵手
そのまま、そのままっ!! 「【NHKマイルC回顧】傑出したセンスと決め手が勝因に」 より
力関係なら対戦成績4戦4勝のラインクラフトが優位であることは当然だが、デアリングハート自身、この好敵手をかなり強く意識しているフシがある。今回の戦いも、パドックからはじまっていた。時折、物見もしながら落ち着いて周回を重ねるラインクラフト。その直後から、ライバルに対する闘志をむき出しにして、デアリングがグイグイ迫っていくといった感じ。「いつかあなたを倒してみせるわ・・・」 まるでスポ根ドラマの登場人物がつぶやくそんな台詞が聞こえてきそうな雰囲気だった。
デアリングハートは現代で言うところの酒井彩名の役回り。ではラインクラフトは上戸彩?それはさておき、この2頭は馬同士は元より馬主同士もライバル関係と言える。方や飛ぶ鳥を落とす勢いで3歳重賞を勝ちまくるノーザンファーム、方や弟の影に隠れて存在感の薄い社台ファーム。勝鞍、勝率などはそれ程差のない両者だが本年の中央競馬重賞勝利数は15:6で、その質に至ってはG1四勝、G2五勝のノーザンファームが社台ファームを圧倒(社台はG2一勝)。追い付けそうで追いつけないラインクラフトとデアリングハートの関係はその縮図と言っても過言ではない。(いや、本当に今年の3歳重賞はノーザンファームから買わないと当たらないですよ。マークリ牧場のディープサマーなんて買ってる場合じゃないorz)
▼デアリングハートの調整は賞賛に値する
デアリングハートに関してはプラス4キロと体調面でも最高の仕上がりだったようで、桜花賞からの中3週、長距離輸送という難関を見事にクリアさせたスタッフの手腕は、本当に賞賛に値するものだと思います。
馬体重が減少傾向にあったフィリーズレビュー当時、拙ブログにて「ここで権利を得ても本番へのお釣りがあるかどうかは非常に怪しい」と書いているが、その本番(桜花賞)で3着した上に長距離輸送のあるここでも2着するとは夢にも思わなかった。改めてこの中間の坂路調教時計を見ても評価は難しく、うまうまライフさんと同様に陣営の手腕に感服している次第。ちなみに藤原厩舎は一昨年エイシンツルギザンでも2着しており、今から「再来年の2着は藤原厩舎説」を唱えておくと夏に向けて冷たい視線が心地よい。
▼オススメ関連記事
【写真で見るNHKマイルC】
「NHKマイルC フォト回顧」 Racing Blog 2005
「NHKマイルC結果」 だいたいだいありぃ
【NHKマイルC回顧】
「マイルカップもボロ負け」 どろ沼
「NHKマイルカップ結果」 Futurity blog
「新たな歴史-NHKマイルC結果」 競馬ニュース的ブログ
「えー・・・ ~NHKマイルC回顧~」 Aria on the G
(敬称略)
「坂路係控え室(編集後記)」
余りの長文に自分のとこで書いとけ!と上司に怒られそうですが、これはこれで一つの紹介の仕方かなと。特に予想や回顧は一方通行であることが多く、他の意見を受けて真剣に考えてみる機会はありそうでなかなかない。私自身回顧記事はご無沙汰してますが、久しぶりにあれこれ考えてみて予想とは違った面白さを感じてます。確かに回顧はエネルギーのいる作業ではありますが、こういうところでトラックバックが本来の使われ方をするようになれば、競馬サイト界隈はもっと幸せになれるのかもしれません。
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